倫理,政治・経済 分析コメント


マーク数が昨年より1減少。安全保障関連法など時事的動向も出題。

大問数は昨年と同じだが、マーク数は倫理分野で昨年より1減少した。本文および設問はすべて単独科目の「倫理」「政治・経済」からの転用であった。政治・経済分野では、安全保障関連法や防衛装備移転三原則、電力の小売の自由化など時事的動向を意識した問題も出題された。

難易度 やや易化
倫理分野の設問を中心に複雑な選択肢構成の設問が減ったことから、比較的取り組みやすくなった。全体の難易度は昨年と比べやや易しくなった。
出題分量
大問数6題(倫理分野3題、政治・経済分野3題)は昨年と同じ。マーク数は昨年の37から1減少して36となった(倫理分野は1つ減少して18、政治・経済分野は昨年と同数の18)。配点のバランスも昨年と変化なし(倫理分野50点、政治・経済分野50点)。
出題傾向分析
昨年と同様、倫理分野、政治・経済分野ともに、その多くが教科書の範囲内の知識で対応できる設問となっている。倫理分野では、資料文読解問題が昨年よりも1問増えて2問となったが、昨年まで出題されていたグラフ読解問題がなくなった。政治・経済分野では、本文の空欄を補充する問題が昨年に続いて2題出題されたほか、図表を活用する問題がそれぞれの大問で出題された。
2018年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数
1 現代社会の諸課題と青年期 14 5
2 日本の思想・源流思想 18 7
3 西洋の近現代思想・源流思想 18 6
4 国家の役割の変遷 22 8
5 国家間、地域間、個人間の格差 14 5
6 女性の社会的地位の向上 14 5
合計 100 36
2017年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数
1 現代社会の諸課題と青年期 14 5
2 日本の思想・東洋源流思想 18 7
3 西洋の近現代思想・源流思想 18 7
4 日本における民法の制定とその変遷 22 8
5 民主政治の成立と変遷 14 5
6 通貨制度の変化 14 5
合計 100 37
2018年度設問別分析コメント
第1問 「優しさ」をめぐる会話文をもとに、青年期の自己形成、ヒューマニスト、センの思想などが問われた。センの思想が問われた問5は、すべての選択肢に「潜在能力」というキーワードが出ているため、その正確な理解がないと正答できず、やや取り組みにくかっただろう。
第2問 「教え」をテーマとした本文をもとに、日本の神話、仏教思想、近世思想、近代思想などが問われた。八正道について問われた問2は、細かい内容が問われているように見えるが、消去法で容易に正答できる。三宅雪嶺について問われた問6は、多くの受験生が思想内容まで理解していない人物であるため、やや取り組みにくいかもしれない。日本思想に関しては、基本的な人物についての学習はもちろんのこと、教科書の脚注に記載されている人物についても確認しておくような綿密な学習が求められる。
第3問 「遊び」をテーマとした本文をもとに、パウロやロックの思想、自然をめぐる西洋の思想などが問われた。ロックについて問われた問2は判断に迷うかもしれないが、正解にならない選択肢において他の思想家のキーワードが示されているため、消去法で正答できるだろう。人々に生き方の指針を示してきた書物について問われた問5のイザヤは、受験生にはあまりなじみのない人名であっただろう。
第4問 国家の役割の変遷に関する本文をもとに、日本国憲法の基本的人権、アメリカ・イギリスの政治制度、法の支配、需要・供給曲線、ローレンツ曲線、電力、日本の安全保障政策などについて出題された。問6は、問題文に示されているローレンツ曲線についての説明をよく理解したうえで解答することが必要である。電力をめぐる施策について問われた問7や日本の安全保障政策について問われた問8は、時事的動向についての出題であり、日頃から時事問題への意識をもちながら学習する必要がある。
第5問 国家間・地域間・個人間の格差をめぐる本文をもとに、トレード・オフとベーシック・インカム、国家間の格差に関する事項、一次エネルギーに関する資料における国名判断、社会保障制度、各国の教育費に関する資料の読み取りが問われている。問1のベーシック・インカムは時事的傾向を意識した出題であるが、消去法で解答は可能。問5は知識を前提としない資料の読み取り問題である。全体に取り組みやすい問題であり、教科書の範囲内の学習で対応可能である。
第6問 女性の社会的地位の向上について述べた本文をもとに、男女の賃金格差や管理職に占める女性の割合などの国際比較、国会の種類や議院の会議の名称と説明、形式的性差別に当たる措置の例外、働き方に関する法律の名称と内容、最高裁判所により違憲とされた法制度に関する知識が問われている。ほとんどの問題は教科書の範囲内の学習で対応できる。
過去の平均点の推移
13年度 14年度 15年度 16年度 17年度
60.7 67.3 59.6 60.5 66.6
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