地学 分析コメント


詳細な知識や複雑な考察を必要とする問題が減少し、平易な知識を問う問題が増加した。

放射性同位体の種類、地学基礎で扱われる古生物の復元図など基礎的な知識を問う問題が多かった。

難易度 易化
問題文の量や選択肢の多い問題が減少したことに伴い、昨年に比べて解答時間に余裕ができた。基礎的な知識を問う問題が多かった。
出題分量
解答するマーク数は30であり、昨年と同じであった。
出題傾向分析
教科書で扱われている「固体地球」「岩石・鉱物」「地質・地史」「大気・海洋」「宇宙」の5分野のすべてから出題された。内容的には昨年と同様に知識問題、読図問題、計算問題がバランスよく出題された。また、昨年に引き続き地質平面図を読み取る問題が小問1問にとどまった。昨年は選択問題の難易度に大きな差がみられたが、今年はほぼ同じレベルの内容であった。選択問題の出題分野は年度によって異なっており、教科書の内容をまんべんなく学習しておく必要がある。
2017年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 地球 24 7 A プレート運動
B 地球の重力と構造
C 地球内部の熱源
2 地球の歴史と地層および岩石 20 6 A 地球の歴史
B 地質図
C マグマ
3 大気・海洋 17 5 A 気圧
B 海流
4 宇宙 27 8 A 太陽と地球
B 銀河系と銀河
5 固体地球 12 4 A リソスフェア
B 地球磁気圏
6 大気・海洋 12 4 A 地球の気温の鉛直分布
B 海洋
合計 100 30  
2016年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 固体地球 27 8 A 活断層
B 沈み込み境界・ホットスポット
C 残留磁気・プレート運動
2 地質・地史
岩石・鉱物
17 5 地質・岩石
3 大気・海洋 27 8 A 大気と海洋による熱輸送
B 潮汐
4 宇宙 17 5 A 地球の運動
B 恒星
5 地史
鉱物
12 4 A 地球とその大気
B 鉱物
6 宇宙 12 4 宇宙膨張
合計 100 30  
2017年度設問別分析コメント
第1問 Aは三種類のプレート境界を扱った問題であった。問1はプレート上の2地点間の距離が時間とともにどのように変化するのかを問うものであったが、内容的には平易であった。Bは標準重力と地球の内部構造に関する問題であったが、いずれも基本事項であり容易に解答できたであろう。Cは地球内部の熱源を扱うものであった。問6は発熱量から放射性同位体の半減期を求めるもので、見慣れないグラフが扱われたが、問題文に記されている放射性同位体の量が発熱量に比例することを手がかりにすれば正答にたどり着ける。地球の構造や現象に関するグラフや図を教科書等でよく確認しておこう。
第2問 Aは地球の大気組成と生物の歴史に関する問題であったが、いずれも古生代の大気組成と古生物を中心とする内容であった。問1では問題文中の「オゾン層」から酸素を類推することができる。問2はシルル紀の古生物を選ぶもので、本試験では長らく出題されていなかった古生物の形態の模式図を選ぶ問題であった。Bは地質図に関する問題であった。小問1問のみの出題で、走向・傾斜の記号を手がかりに地層の分布を読み取る標準的な問題であった。Cはマグマに関する問題であった。問5は結晶分化作用以外のマグマの分化を扱ったもので、「地殻物質の溶融」「マントル起源の分化していないマグマ」の箇所を正しく理解しているかどうかが問われており、悩んだ受験生もいたであろう。昨年と同様に地質平面図の問題が少なかったが、同様の傾向が続くとも限らないので、走向・傾斜の読み取りを中心に過去問などで読図の練習を繰り返しておこう。
第3問 Aは世界の気圧分布に関する問題であった。問1は亜熱帯高圧帯と気圧の定義、問2は夏季と冬季の気圧分布を扱った基本的な問題であった。問3は気圧の高度変化に関する計算問題であったが、問題文の下線部に記されている内容を手がかりにして解くことができる標準的な問題であった。Bは海流に関する問題であった。問5は等高線の本数と間隔から海流の速さの比を導くもので、与えられた情報を正確に整理する必要がある計算問題であった。大気・海洋分野については全体的に詳細な知識が問われているので、教科書の本文だけでなく図表についても熟読して内容をしっかり理解しておくことが重要である。
第4問 Aは太陽の活動に関する問題であった。問1から問3は太陽活動および地球への影響を扱った基本問題であった。問4はフレアの際に放射されたX線のエネルギーを求める計算問題であった。計算では不必要な太陽の半径の値が与えられていたため、戸惑った受験生がいたかもしれない。Bは銀河系と銀河に関する問題であった。問6の銀河系内のダークマターの割合やブラックホールの質量、問8の活動銀河についての問題では詳細な知識が必要とされた。教科書をしっかり読み込むとともに、シュテファン・ボルツマンの法則の式など教科書に出てくる公式の内容をよく理解し、それを用いた計算問題の演習を積み重ねておくことが大事である。
第5問 Aはリソスフェアに関する問題であった。問1は海嶺軸付近におけるアイソスタシーを扱った計算問題であったが、問題文に記された内容を手がかりにすれば解ける標準的な問題であった。問2は地殻熱流量と太陽定数の大きさを比較する分野横断的な知識問題であった。Bは地球磁気圏に関する標準的な問題であった。太陽と地球の位置関係、磁力線の形や向きを問うもので、磁気圏についての正しい理解が必要とされる。固体地球について教科書等で基本事項をしっかり確認しておこう。
第6問 Aは地球の気温の鉛直分布に関する問題であった。問1では対流圏の気温減率が問われたが、高度100mあたりの値ではなく、高度1kmあたりの値を答えるので注意する必要があった。問2は大気の安定・不安定を考察するやや難しい考察問題であった。図から大気の気温減率を正しく読み取るとともに、乾燥断熱減率の値を覚えているのかが問われた。Bは波に関する問題で、いずれも基礎知識を問う問題であった。大気の安定度など考察問題や計算問題の多い分野であるが、基礎知識が前提になるので教科書等で用語や値をしっかり身につけておこう。
過去の平均点の推移
15年度 16年度
40.9 38.6
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