化学 分析コメント


やや思考力を要する実験考察問題や注意力を要する計算問題が出題された。

問題文から必要な情報を適切に読みとる力を要する問題が多かった。

難易度 昨年並み
昨年と比較して応用力を要する問題は減少したが、目新しい問題が出題され、また、時間を要する計算問題が増えたので、難度は昨年とほぼ同じである。
出題分量
大問数は変化なし。マーク数は35でやや増えたが、設問数は昨年と同じであり、分量に大きな変化はない。選択問題の配点は5点で一昨年の9点、昨年の6点より低い。計算問題は11問(必答10問、選択1問)で昨年と同じであり、正誤問題は6問(マーク数は7)で昨年の10問より減少した。
出題傾向分析
「化学基礎」を含む化学の全範囲から出題された。第1問が物質の構成、物質の状態、第2問が物質の変化と平衡で、いずれも理論分野からの出題、第3問はおもに無機物質、第4問が有機化合物、第5問から第7問は合成高分子化合物、天然有機化合物からの出題で、全体の構成は昨年と変化はなかった。教科書に記載されている基本事項に関する設問が中心であるが、状態図をもとにした二酸化炭素の状態変化に関する考察、電流の向きから金属の種類を決定する実験、ジペプチドの電気泳動などやや思考力を要する目新しい問題もあった。また、昨年同様、計算問題が多数出題されており、計算力が要求される。
2017年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 物質の構成、物質の状態 24 8 物質の構成、物質の状態、気体、希薄溶液の性質
2 物質の変化と平衡 24 7 化学反応と熱、反応速度、化学平衡、電離平衡、酸化還元反応
3 無機物質 24 7 非金属元素、金属元素、化学反応と量的関係
4 有機化合物 19 9 脂肪族化合物、芳香族化合物
5 高分子化合物 4 2 合成高分子化合物、天然高分子化合物
6 合成高分子化合物 5 2 合成高分子化合物
7 天然有機化合物 5 2 ペプチド、糖類
合計 100 35  
2016年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 物質の構成、物質の状態 23 6 物質の構成、気体、溶液
2 物質の変化と平衡 23 6 化学反応と熱、化学変化とエネルギー、電離平衡、化学平衡、酸化還元
3 無機物質 23 8 非金属元素、金属元素、化学反応と量的関係
4 有機化合物 19 5 脂肪族化合物、芳香族化合物
5 合成高分子化合物、天然有機化合物 6 2 合成繊維、天然ゴム、機能性高分子、糖
6 合成高分子化合物 6 3 合成ゴム、合成高分子化合物
7 天然有機化合物 6 2 ペプチド、核酸
合計 100    
2017年度設問別分析コメント
第1問 結晶の分類、分子の構造、金属の結晶格子の構造、気体分子の熱運動、状態図と状態変化、混合気体と蒸気圧、凝固点降下が出題された。
問3は気体分子の速さの分布のグラフから温度変化と気体の圧力の関係を考える問題であった。問4は二酸化炭素の状態図をもとにして状態変化と温度、圧力の関係を考察する問題で、状態図が理解できているかがポイントである。問6は凝固点降下と濃度の正確な理解が問われる。
基本事項を理解し、解法の道筋をつかむために問題演習を積み重ねることが重要である。
第2問 結合エネルギー、化学平衡、反応速度、緩衝液、電気分解,酸化還元反応と量的関係が出題された。
問3は、過酸化水素の分解反応に関する量的計算と反応速度の内容であり、はじめの過酸化水素水の濃度を求めるためには、時間が十分に経過したときの酸素の発生量を用いることがポイントであった。問4は、酢酸と酢酸ナトリウムの緩衝液に関する正誤判定問題であった。近年はほとんど出題のなかった3つの記述の正誤の組合せの問題であったが、緩衝液についての正確な知識があれば解ける。問6は硫化水素と二酸化硫黄の反応を反応式で表せるかがポイントである。
物質の変化とエネルギーに関しては、定義や反応を押さえたうえで、計算も含めた演習を十分に行っておきたい。また、化学平衡の移動(ルシャトリエの原理)と「化学基礎」の範囲である酸化還元の量計算は3年連続で出題されているので、注意しておこう。
第3問 身近な無機物質、遷移元素の単体や化合物を用いた触媒反応、気体の精製、黄銅に含まれる銅の含有率、酸化マンガン(W)を用いた塩素の発生量の計算、金属のイオン化傾向と電池が出題された。
問3では気体の水溶性や反応を起こすかどうかの総合的な判断が求められる内容であった。また、問6では、形成された電池の電流の向きから金属のイオン化傾向の大小を判断する必要がある。
全体として、標準的なレベルの問題であるが、正誤判定の問題では正確な知識が要求される。無機物質に関する教科書に記載されている事項をまとめ、問題演習を通じて知識を定着させておきたい。また、物質の性質とあわせて化学量計算も出題されるので、計算力をつけておきたい。
第4問 エチレンとアセチレンに共通する性質、アルコールの構造異性体の数、ベンゼンからp−ヒドロキシアゾベンゼンを合成する反応経路、ブタンの塩素置換体の化学式の決定、界面活性剤に関する実験が出題された。
問2は、カルボン酸Bがギ酸であることから、炭素数4のアルコールの構造異性体の数を調べればよい。問4は、炭素原子と水素原子の物質量の比に着目できたかがポイントである。問5は、界面活性剤の製法、性質に関する実験の問題で、コロイドも含めて正確な知識が要求される。
第5問 問1は単量体と重合体の構造に関する問題であり、重合体の構造と重合の形式を混同すると判断を誤るので、注意が必要であった。問2は合成および天然高分子化合物に関する正誤判定問題であり、まぎらわしい選択肢が無く、比較的容易に答えられたであろう。教科書に記載されている事項を確認し、知識の定着を図りたい。
第6問 問1は重合体と単量体の組合せを判定する問題であった。二重結合の位置に着目すれば容易に答えられる。問2は、ポリ乳酸の分解に関する計算問題であり標準的な内容であった。化学量計算も出題されるので計算力をつけておきたい。
第7問 問1はジペプチドの電気泳動に関する問題であり、やや思考力を要した。問2はマルトースの加水分解とフェーリング液の還元に関する計算問題であった。マルトース1molがグルコース2molに加水分解されることに注意したい。
過去の平均点の推移
15年度 16年度
62.5 54.5
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