倫理,政治・経済 分析コメント


全設問が「倫理」「政治・経済」単独科目からの転用。

大問数およびマーク数は昨年と同じ。倫理分野と政治・経済分野からほぼ半々の出題。本文および設問はすべて「倫理」「政治・経済」の単独科目からの転用。

難易度 やや易化
倫理分野ではやや難しい事柄が出題されたのに対し、政治・経済分野では比較的取り組みやすい設問が並んだ。全体の難易度は昨年と比べやや易化。
出題分量
大問数6題(倫理分野3題、政治・経済分野3題)は昨年と変わらず。マーク数37(倫理分野19、政治・経済分野18)も変化なし。配点は倫理分野が50点、政治・経済分野が50点。
出題傾向分析
例年通り、倫理分野、政治・経済分野ともに、概ね教科書の範囲内の知識で対応できる設問と、論理的判断力や読解力を必要とする設問で構成されている。昨年は倫理分野の資料文読解問題が2問出題されたが、今年は1問のみの出題となった。政治・経済分野では、国際分野からの出題がEU(欧州連合)に関する設問の1問のみであった。
2017年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数
1 現代社会の諸課題と青年期 14 5
2 日本の思想・東洋源流思想 18 7
3 西洋の近現代思想・源流思想 18 7
4 日本における民法の制定とその変遷 22 8
5 民主政治の成立と変遷 14 5
6 通貨制度の変化 14 5
合計 100 37
2016年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数
1 現代社会の諸課題と青年期 14 5
2 日本の思想・源流思想 18 7
3 西洋の近現代思想・源流思想 18 7
4 近代国家の変容 22 8
5 民族紛争と人権 14 5
6 市場メカニズムとその限界 14 5
合計 100 37
2017年度設問別分析コメント
第1問 「芸術作品と現代のテクノロジー」をめぐる会話文をもとに、芸術作品と思想、大衆社会論などが問われた。芸術関連の設問(解答番号1)の尾形光琳や雪舟は、倫理の学習において見逃しがちな人物であり、取り組みにくい。第1問は、思想のみならず、現代社会をめぐる倫理問題が取り上げられることを意識した準備が必要である。
第2問 「日本における外来思想の受容と展開」をテーマとした本文をもとに、古代から現代までの日本思想および東洋源流思想が幅広く出題された。柳宗悦について問うた設問(解答番号11)は、選択肢2の伊波普猷(いはふゆう)や、選択肢3の九鬼周造が取り上げられており取り組みにくくみえるが、他は基本的な人物についての設問であり解答可能である。日本思想に関しては、基本的な人物についての学習はもちろんのこと、教科書の脚注に記載されている人物についても確認しておくような綿密な学習が求められている。
第3問 「自然と人間をめぐる知の探究」をテーマとした本文をもとに、モンテーニュ、デューイ、現象学者の思想などが問われた。解答番号13のパルメニデスは、倫理の学習過程において見逃しがちな人物である。メルロ=ポンティやフッサールとともに、ハイデガーやカミュの思想の理解を問う設問(解答番号18)にみられるように、近年のセンター試験では現代思想からの出題があることを意識した学習が必要である。
第4問 「民法の制定とその後の改正」に関する本文をもとに、法の分類と法解釈の姿勢、完全競争市場と市場の失敗、三つの経済主体間の経済循環、各国の議会の本会議場の特徴や歴史、日本国憲法の制定過程や基本原理、国会、国富とその主要な構成項目に関連する出来事の起きた年や時期、消費者問題が問われている。ほとんどの問題は教科書に載っている基本知識で解答できるが、問2の情報の非対称性や需要の価格弾力性に関する選択肢、問4のイギリスの下院とフランスの下院の区別はやや難しい。また、問7は各選択肢にある出来事が起きた時期を覚えておかなければ解けない。これらの歴史的知識についてもきちんと押さえておく必要がある。
第5問 「民主政治の変遷」をめぐる本文をもとに、日本における自由権の保障、日本の憲法改正手続などに関する知識が問われている。ほとんどの問題は教科書の範囲内の学習で対応できるが、問4の図表問題は、選択肢にある出来事の起きた年を覚えていないと正答できない。出来事の起こった年に関する知識を前提として解答する問題はここ数年連続して出題されているので、重要な出来事の起こった年は正確に覚えておく必要がある。
第6問 「貨幣が経済活動に与える影響」について述べた本文をもとに、金融、物価の変動、国の一般会計の歳入・歳出、地域的経済統合、需要・供給曲線などに関する知識が問われている。教科書の範囲内の学習で対応できる問題がほとんどであるが、問4のヨーロッパにおける地域統合と共通通貨の導入についてその順序を問う問題(「3番目にくるものとして正しいもの」を選ぶ問題)に関してはやや詳細な知識が問われているので、出来事の前後関係を正確に把握しておく必要がある。
過去の平均点の推移
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度
67.1 60.7 67.3 59.6 60.5
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