地理B 分析コメント


大問構成、出題分野などに大きな変化はなく、昨年に続いて自然災害と比較地誌も出題される。

昨年と同様に、教科書に基づき、地理Bのほぼ全分野からまんべんなく出題されている。

難易度 やや易化
昨年よりも各大問とも判断に迷う問題が少なかった。
出題分量
大問数6題、マーク数35で、ともに変化なし。
出題傾向分析
さまざまな地図と地理的技能の分野から地域調査が1題、系統地理的考察の分野から、自然環境が1題、資源と産業が1題、都市、村落、生活文化から1題、地誌的考察の分野から、中国の地誌とスペインとドイツの比較地誌が出題された。大問構成、出題分野とも昨年とほぼ同じで、地理Bのほぼ全分野からまんべんなく出題されている。基本的な知識を問う問題や、統計、統計地図、グラフ、地形図などのさまざまな図表を用いて、それらの読み取りと基本的知識を結びつけて解答する問題が多い。
2017年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数
1 世界の自然環境と自然災害 17 6
2 資源と産業 17 6
3 都市・村落と生活文化 15 5
4 中国 17 6
5 スペインとドイツ 14 5
6 壱岐島の地域調査 20 7
合計 100 35
2016年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数
1 世界の自然環境と自然災害 17 6
2 世界の工業 17 6
3 都市・村落と生活文化 17 6
4 ヨーロッパ 17 6
5 インドと南アフリカ共和国 14 5
6 岩手県北上市とその周辺の地域調査 18 6
合計 100 35
2017年度設問別分析コメント
第1問 世界の自然環境と自然災害の問題で、問1は海底の地形断面、問2は海氷に覆われにくい海域、問3は4地点の気温と降水量、問4はヴェネチア周辺の海岸地形(地図使用)、問5は地域別の自然災害にともなう被害、問6は火山の防災マップの読み取りが問われた。問1の4地点の地形断面は陸上ではよく出題されていたが、海底は初めての出題である。全体に判断に迷うところはないが、問6は図では年間に最も多い風向の降灰範囲が記入されているだけで、これ以外の降灰の可能性もあることに注意しなければならない。
第2問 資源と産業の問題で、問1は日本の農業、問2は4地域の農業に関する統計グラフの読み取り、問3はバイオマスエネルギー、問4は4カ国のエネルギー輸入依存度と鉱工業就業人口の割合の比較、問5は石炭の生産量、輸出量、消費量の上位国、問6はデトロイト、バンコク、ロッテルダムの工業地域の特徴が問われた。難問はなく、統計問題、正誤判定問題とも判定は容易である。
第3問 都市・村落と生活文化の問題で、問1は世界の都市でみられる住宅景観(写真使用)、問2は都市や村落の成り立ち、問3は4カ国の地域格差についてのグラフの判定、問4は東京圏の市区町村別人口増加率の推移(統計地図使用)、問5は日本の都道府県別老年人口率、老年人口の増加率、養護老人ホーム定員数についての統計地図の読み取りが問われた。問3は解答で求められるオーストラリアを選ぶのは容易だが、他の3カ国の区別は難しい。その他の問題も判定は容易である。
第4問 中国地誌の問題で、問1は3地域の地形、問2は4都市のハイサーグラフ、問3はイモ類、茶、野菜の作付面積の上位10省の統計地図の判定、問4は各地の硫黄酸化物濃度に関する分布図の読み取り、問5はシャンハイ市とチンハイ省の経済発展、問6は少数民族について問われた。問1から問3は定番問題で、問4は地図を読み取らなくても解答できる。問5は青蔵鉄道のことが問われているが、シーニンとラサの地名は難しいので、両者とも地図に記入すべきであろう。問5、問6は判断に迷うかもしれないが、各文とも教科書の記述から出題されている。
第5問 スペインとドイツの比較地誌の問題で、問1は経線に沿った標高と年降水量の分布、問2はオリーブ、小麦、ブドウ、ライ麦の主な産地、問3は両国の大都市の分布と日系現地法人数の分布、問4はスペイン、ドイツ、フランス、ポルトガルの貿易、問5は両国の移民と外国旅行が問われた。問1はスペインが高原状の国で、ドイツよりも年降水量が少ないという知識があれば解答できる。問3は両国の大都市の分布の判定がやや難しい。日系現地法人数は、ドイツが連邦制で同規模の都市が多くあり、スペインが2大都市の国であることから判定できる。
第6問 壱岐島の地域調査の問題で、問1は20万分の1地勢図の読み取り、問2は新旧の2万5千分の1地形図の読図、問3は写真の撮影地点の判定、問4は屋敷林の役割、問5は漁業の特徴、問6は長崎県内の市町村別のいくつかの指標の判定、問7は自然災害や防災についての調査の目的とその方法について問われた。問1と問2の読図は基本的な問題である。問3は地図記号からアが平野の水田、ウが谷間の水田、イが荒地と畑と読み取り、写真はBは水田ではなく、Aは広い平野でCが両側に山のある水田の写真であることから判定する。問6は大きな都市と離島は居住する市町村内で買い物をすること、複式学級数は過疎地で多いこと、人口当たりの医師数は大きな都市で多いことから判定する。昨年の岩手県に関する同様の問題に比べると判定しやすい。
<地理A第5問との共通問題>
過去の平均点の推移
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度
62.2 61.9 69.7 58.6 60.1
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