日本史B 分析コメント


昨年度に続き今年度も現行課程の特徴である「歴史の解釈・歴史の説明」などを意識した出題はみられなかった。

第1問の素材は、昨年度は大学生と友人の日記であったが、今年度は大学生と友人の手紙であった。
例年通り、地図を利用した問題や史料の読解問題がみられた。
昨年度はみられなかった統計資料を読みとる設問が復活した。
戦後史単独の設問が出題されず、最も新しい時期の出題は1950年代前半であった。
図版を利用した年代配列問題が増加した。

難易度 やや難化
政治史からの出題が増え、受験生が苦手とする文化史が減少したが、一部に難易度が高い設問もあった。
出題分量
大問数・マーク数ともに昨年と同じ
出題傾向分析
現行課程入試2年目ということで注目していたが、昨年度同様、現行課程の特徴である「歴史の解釈・歴史の説明」などは反映されていなかった。
分野としては、政治史が増加し、文化史が減少した。形式面はほとんど変わらないが、受験生が比較的苦手とする年代配列問題が増加した(4問→6問)。昨年度は出題されなかった統計資料の読みとり問題が復活したが、文字史料の読みとり問題は減少した(4問→2問)。図版や地図を利用した出題は続いており、歴史資料をもとに考察させようとする姿勢は今年度も維持されている。過去のセンター試験の問題と類似した設問・テーマもみられ、過去問演習を中心にしっかりと学習した受験生は高得点が可能である。
2017年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数
1 海をめぐる日本史 16 6
2 古代の思想・信仰と政治・社会 16 6
3 中世の政治・社会・文化 16 6
4 近世の文化・政治・社会 16 6
5 幕末から明治期の大坂(大阪) 12 4
6 近現代の公園をめぐる歴史 24 8
合計 100 36
2016年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数
1 史料としての日記 16 6
2 原始・古代の漆と香の文化 16 6
3 中世から近世初期までの政治・社会・文化 16 6
4 近世の政治・社会・文化 16 6
5 明治期の地方制度 12 4
6 日本とオリンピック 24 8
合計 100 36
2017年度設問別分析コメント
第1問 旅行中の大学生とその友人の手紙を素材とする問題文であり、Aの問題文では瀬戸内・平戸・済州島を、Bの問題文では温泉津・舞鶴・新潟を取りあげている。設問は、複数の時代をまたぐ問題を中心とし、原始〜近現代を総合的に問う形をとっている。問4では地図を利用した設問が、問5では図版を利用した年代配列問題がみられた。全体には標準的なレベルの問題である。
第2問 古代の思想・信仰を取りあげ、政治・社会との関係を総合的に問うている。Aでは仏教の伝来と普及をめぐる動向を、Bでは御霊信仰や浄土信仰をめぐる動向を扱っている。第2問では2010年度以来、史料を利用した設問の出題が続いていたが、今年度は出題されなかった。問3cで「百済からの亡命貴族の影響」が扱われているが、過去にも出題実績がある。全体には標準的なレベルの問題である。
第3問 Aでは鎌倉〜建武政権期の武士の主従関係を、Bでは足利義満の政策や禅宗・禅僧の動向を主として扱い、中世を総合的に問うている。問2で史料読解問題がみられた。教科書には掲載のない史料であるが、設問文や「注」に着目すれば正解できる問題である。センター試験の史料問題では、史料の「注」も重要な情報であることを知っておきたい。問3は、受験生が総じて苦手な年代配列問題であり、UとVの順番に迷ったかも知れないが、Uが建武新政期、Vが南北朝内乱期と判断できれば正解できる。全体には標準的なレベルの問題である。
第4問 Aでは近松門左衛門の人物史を、Bでは「1787年」に起きた政治・社会に関する出来事を取りあげ、近世を総合的に問うている。問3で図版を利用した出題がみられた。X・Yとも教科書などに掲載されている図版であるが、Yの判断はやや難しかったかも知れない。教科書などの図版は積極的に見ておくようにしよう。問6の年代配列問題は、やや難易度が高い。全体には標準的なレベルの問題である。
第5問 幕末から明治期の大坂(大阪)をテーマとした問題文を用い、当該期の政治・社会経済を中心に問うているが、大坂(大阪)を扱った設問は出題されていない。問3では大久保利通の業績が扱われたが、誤文は明確であり難しくはない。全体には標準的なレベルの問題である。〈日本史Aの第2問との共通問題〉
第6問 近現代の公園を素材に近現代を総合的に問うている。Aでは日比谷公園を取りあげ、明治末期から1960年までの政治・外交などを、Bでは上野公園・天王寺公園での内国勧業博覧会を取りあげ、明治・大正期の社会経済・文化を、Cでは国家が節目や行事を記念して1960年代に設置した公園を取りあげ、明治期〜昭和戦中期の政治を中心に問うている。問2では図版を利用した年代配列問題が出題された。Vは「左派社会党」・「右派社会党」に着目できれば、サンフランシスコ講和から55年体制成立以前の時期との判断はできよう。センター試験の図版問題では、こうした情報に着目できるような注意力も必要である。問6では統計を利用した問題が出題された。全体的には、標準的なレベルの問題である。〈日本史Aの第4問との共通問題〉
過去の平均点の推移
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度
67.9 62.1 66.3 62.0 65.6
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