国語 分析コメント


現代文の難易度が上がり、国語全体としては昨年より難化。

<現代文>第1問(評論)は、現代の科学論の一つを紹介し、科学のあり方について論じた評論が出題された。昨年出題された、本文の読後感を話し合う生徒の発言から本文の趣旨に近いものを選ぶ設問は出題されなかった。第2問(小説)は、20世紀初頭の作品からの出題。本文・選択肢を細部まで丁寧に検討することが必要とされる問題である。
<古文>昨年に続いて易しい問題であった。
<漢文>日本漢文が出題されたのは、2012年度の追試験で頼山陽が出題されて以来で、本試験としては初めてである。文の解釈が問われなかった。

難易度 難化
<現代文>第1問(評論)は、受験生に身近な話題を論じた比較的読みやすい評論が2年続けて出題されたが、今年は硬質な科学論からの出題であり、本文量も増加しており、難化した。第2問(小説)は、本文中の設問に関わる部分の内容を正確に把握し、その内容と各選択肢とを丁寧に照らし合わせる必要がある。解くのに手間のかかる問題であるという点で、昨年よりも難化したと言えるだろう。
<古文>本文は昨年の『今昔物語集』よりも話の展開がわかりやすい。問1の傍線部は短い上に、昨年ほどは文脈を考慮して解答する必要がなかった。さらに、問3以降の内容読解の問題も正誤がはっきりしており、選びやすくなっている。
<漢文>難解な内容ではなく、表現もやや平板である。本文・設問とも難易度に大きな変化はなく、昨年並みと言える。
出題分量
第1問(評論)は、本文量が700字程度増加し、4000字を超えた。設問数、マーク数は変化していないが、3行選択肢が増加した。第2問(小説)は、本文量は約4800字で、昨年とほぼ同じ。設問数も昨年と同じであり、各選択肢の長さも昨年とさほど変わってはいない。第3問(古文)は、本文量が1440字ほどで、昨年より約300字減少した。第4問(漢文)は、本文量が198字で6字増加、設問数は1問減少したが、マーク数は8で、昨年と同じ。
出題傾向分析
<現代文>第1問(評論)は、受験生に身近な話題を論じた比較的読みやすい評論からの出題が2年続いたが、今年は硬質な科学論が出題された。第2問(小説)は、ここ数年、戦前の小説の出題が目立つが、今年もそうした傾向を踏襲している。過去5年は短編小説の全文が出題されていたが、今年は作品の一節を切り取ったかたちの出題になっている。古い小説としてはどちらかというと平易な文体だが、現代の受験生にとってはけっして読みやすい文章ではないだろう。
<古文>本文は、近世の擬古物語『木草物語』からの出題で、非常に稀な出典であった。主人公の菊君が側近の蔵人の邸を訪れた際、蔵人の姉妹の尼と20歳くらいのその娘の姿を垣間見て、和歌のやりとりをするという話である。昨年は和歌が本文にも設問にもなかったが、今年は本文に2首あり、設問にもなっていた。
<漢文>江戸時代の漢学者、新井白石の随筆が出題された。昔とは大きく変わって大都市となった江戸が今後すっかり変わるであろうことを述べ、後世の人々に江戸を理解してもらう手助けにしたいという、自著の『江関遺聞』執筆の動機を記している。設問は、語の読み、語の意味、返り点の付け方と書き下し文、内容説明、理由説明など、標準的であったが、文の解釈は出題されなかった。問3・4・6は、本文の記述と照らして、選択肢をしっかり検討する必要がある。
2017年度フレーム
大問 分野 問数 マーク数 出典
1 評論 6 11 小林傳司「科学コミュニケーション」
2 小説 6 9 野上弥生子「秋の一日」
3 古文 6 8 『木草物語』
4 漢文 6 8 新井白石『白石先生遺文』
合計   36  
2016年度フレーム
大問 分野 問数 マーク数 出典
1 評論 6 11 土井隆義『キャラ化する/される子どもたち』
2 小説 6 9 佐多稲子「三等車」
3 古文 6 8 『今昔物語集』
4 漢文 7 8 盧文●(しょう)『抱経堂文集』
(●は「弓」に「召」)
合計   36  
2017年度設問別分析コメント
第1問 問4は、5が紛らわしく、正解の3との比較で解答を確定するしかないだろう。問6は、昨年同様、(i)も(ii)も適当でないものを選ぶ問題になっている。さまざまなテーマを扱った評論に取り組もう。基本的な読解力を養い、いろいろな設問形式に対応できるようになろう。
第2問 全体に、本文中の設問に関係している箇所を正確に読み、その内容と選択肢を丁寧に照合しながら正解を選ぶ必要がある。なかでも問2・問3で迷った受験生は少なくないだろう。また問5は、各選択肢の内容が本文のどの部分に該当しているのかを探すのに手間がかかり、時間的な負担を強いる問題となっている。語句の意味を問う問1では、(ウ)の正解がやや選びにくい。日頃から、選択肢を丁寧に本文と照合することを心がけるようにしよう。また、古い時代の小説にも親しんでおくとよいだろう。
第3問 問1は、例年通り語句の解釈問題で、いずれも重要古語・文法の知識を踏まえて解くものであったが、昨年より傍線部はすべて短くなっており、1語か2語であった。問2は、例年通り文法問題で、「ぬ」「に」「ね」の識別を問う基本的なものである。問3・4は、例年通り内容を問う問題であった。問3は、昨年同様選択肢が1行で、そのうえ正誤がはっきりしており、選びやすい。問5は昨年なかった2首の和歌に関する説明問題で、例年のセンター試験の和歌の問題に比べると易しいが、今年の設問の中では若干答えにくい。問6は昨年の「内容に関する説明」を問う問題とは違って、「登場人物に関する説明」を問う問題であったが、人物の動作や発言内容を本文全体から考えるという点では例年通りである。
重要古語・古典文法・古典常識など古文の基本を習得し、それをもとに文章を読む練習を積まなければならない。
第4問 問1は重要語の読み方を問う設問、問2は語句の意味を文脈に即して捉える設問であった。問3は比喩の内容説明、問4は故事を踏まえた理由説明の設問であった。問5は返り点を省略した箇所の書き下し文を問うもので、「為」の用法と「未之〜」の句形がポイントである。問6は本文の主旨を問う設問で、「蓋」以下の内容を確認すればよい。紛らわしい選択肢があるが、本文の内容と照らし合わせれば正解できる。学習対策としては、基礎知識を習得し、文章を丁寧に読み解く訓練を重ねつつ、要点を的確に捉える力をつけることが肝要である。
過去の平均点の推移
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度
118.0 101.0 98.7 119.2 129.4
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